取材記事

『目の前の一食に向き合ってほしい』全国を飛び回る平戸裕馬が農業のこれからを語る〜

「平戸裕馬」さん、声の届く農水省の職員さんを目指す

4月に入り桜も見どころの季節となったころ、「若者超会議
2015」で農業のプレゼンをされた、平戸裕馬さん(明治
大学修士2年生)に取材することができた。全国47都道府
県の農家に足を運び、 農林水産省とコラボした企画や、学
生団体「いろり」の発足、 今後の活動や読者への思いを語
って頂きました。 お忙しい中時間を作って頂き本当にあり
がとうございました。この場を持って感謝申し上げます。

1、いつから「農業」という分野に興味を持たれてたのですか?

スクリーンショット 2015-04-14 17.44.06
小学校5年生の時、親の仕事の関係でフィリピンへ行きその
中でゴミ山に行く機会がありました。自分と同じくらいの子
供がお金になるものであったり食べ物になるものであったり
を漁っている姿を見て「飢餓と豊食」という分野に興味を持
ったのが最初のきっかけだと思います。その後は陸上部で部
活漬けの日々を送っていたのですが、大学入学を決める時、
ちょうどトウモロコシの価格高騰による世界食糧危機が起き
ていて。「いよいよ食べ物が食べられなくなる」と思い農学
部を専攻し今しか学べないのは ”技術”という分野だと思っ
たので農学部栽培系の学科へ進学することを決めました。
その後学生団体「いろり」を立ち上げ、現在に至ります。

2、「いろり」はどのような経緯で作られた団体なのですか?

当時45都道府県ほどの農家さんを回り2泊3日で農作業の
お手伝いをしていたのですが、全国を回るなかで「農業はも
うだめだ」「儲からない」など悲観的な声を聞くことが比較
的多くありました。とても悲しかったのですが、 ”若者は農
業に絶望してない” ということを総年代に発信していきたい
という思いから自分ひとりで活動していました。
ピーマンの収穫■□■□■□■□■洞窟で春香ウド収穫
(▲写真※右:ピーマンの収穫風景/左:春香ウド収穫風景@トンネル内)

そんな中、農業に関わる学生たちにもよく会いに行ったので
すが、都市部と地方では農業への関わり方に違いがあって。
都市部の学生は行動が速いのですが生産現場に関しての状況
を知らなかったり、逆に地方の学生は農家さんとのコミュニ
ケーションが上手く現場の活動にも積極的に参加しているの
ですが、なかなか他所のことを知らず情報を得る手段も少な
いというのが現状だったんですね。生産地と消費地がつなが
れば面白い化学反応がおきるのでは?と思っていたところ、
以前から農林水産省の職員さんと繋がりがあったこともあり
2012年6月、大学生とコラボしたいというお声掛けを頂
いたことから「いろり」を立ち上げることになりました。現
場で農業に携わる中で「現場をよく出来るのは現場の人でし
かない」ということを身に持って感じたため、農村で活躍す
るリーダーたちにありったけの知識を共有し、現場を背負っ
ていくリーダー同士が利害関係のないうちに繋がってもらい
たいという思いもこもっています。現在は、全国で農業に携
わる学生たちを集め一次産業の活性化をはかるイベントなど
を企画しています。

3、農業の発展には、既に動いている都市部・地域の
学生、現場のリーダーたちが繋がり、お互いがノウハウや
知識を共有することが大事ということですね。「いろり」
で行ったイベントで特に印象的だった企画などはありますか?

「ジャパンフードフェスタ」というイベントですね。全国
(北海道〜沖縄)から40団体200名もの学生が出店して
くれたのですが、主に自分たちで作っているもしくはお世
話になっている農家さんの農産物を分けてもらい東京駅近
くの丸の内仲通りというところで販売活動を行いました。
ジャパンフードフェスタ

「農林業学園」というタイトルを付け、自分たちの活動を
東京の都市部の人にPRしたり、あとは販売経験を積んだり
してもらったのですが、実はこのイベント、大事なのが夜
の部でして。この時間は、互いが出会い意見交換の場を作
ることが最大の目的だったので、農水省の講堂をお借りし
学生同士の活動や悩みを発信しする場を作ることにしまし
た。目の前で、自分の知っている学生たちが同じ場所に集
まり”日本の農業を良くしたい”と語ってる姿を見た時「農
業が変わっていくんだな」
と確信しました。その光景を目
の当たりにした時の高揚感は今でもすごく頭に残っていま
すね。いろりのイベントの中で、最も印象に残っている
シーンです。

4、なるほど〜。このイベント後、何か素敵な
化学反応などはありましたか?

「いろり」メンバーと他の団体さんとの中で「地方合宿」
というのは結構行っています。実際に他団体さんのところ
にお邪魔し一緒に活動させて頂いたりしていますね。また
他団体さん同士では、鳥取県の団体さんが取り扱っている
お米と、神戸市の篠山にある団体さんの黒豆をコラボした
『黒豆ご飯』を篠山のお祭りで販売したという話を聞きま
した。これは一例ですが、そういう素敵なコラボがあった
という話を聞くと「あぁ、やってる〜!」と思いすごく嬉
しく思いますね。

5、最後に、平戸さんの今後の活動についてや
読者へのメッセージをお願いします。

日本酒写真
僕は、現場を知らないと語れるものも語れないなというと
ころで「飛耳長目」という言葉を大切にしているんですけ
ども、国内の農家さんを回る中で外に目を向けながら世界
にも出ていけたらいいなと思っています。農業に関わりた
いと思っている人がいれば、多種多様な農業スタイルがあ
るので是非現場に足を運ぶアクションを起こしてほしいで
す。また、これを機会に「目の前の一食に向き合ってほし
い」
という思いもあります。 これは若者超会議2015のプ
レゼンでも申し上げたのですが、作る人と食べる人との距
離があることから、現在その間に介在する”食のドラマ”
いうものが見えにくくなっています。そんな時代だからこ
そ、消費者がもっともっと目の前にある農産物の価値を享
受してほしい。一食の価値を享受した時、みなさんの手に
取る農産物も変わってくるのではないかなと思うからです。
そうすることで、変わる生産現場があるということを知っ
ていただけるとこの上なく幸せです。

◆編集後記◆
失われつつある日本の農産業の話を目の当たりにし、目の
前にある食材がどんなストーリーを経てここに来ているの
かというところに大変興味を持ちました。最近では、スー
パーに行くと実際に作る人の顔写真が置かれていることも
あることから、様々な角度から一次産業を活発にしようと
する動きも見えます。”「まごころ」が込められた農作物
を一人でも多くの人に食べてもらいたい”。そんな気持ち
が伝わってくる素敵な取材でした。

◆平戸裕馬◆
真面目写真
明治大学修士2年(農学研究科)/田畑と森と海でつながる
学生団体『いろり』創設者兼初代代表。福井県出身。全国
47都道府県の農家で農作業を経験し、日本の第一次産業を
活発にするべく研究を重ねている。2014年には農林水産省
と企画した、食と農林漁業の祭典『ジャパンフードフェスタ』
を主催。将来は、声の届く「農水省の職員さん」を目指す。

『学生団体いろり』
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『農林水産省』
*http://www.maff.go.jp/

『ジャパンフードフェスタ』
*http://www.foodfestival.jp/

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