取材記事

「僕たちの街頭募金は叫んでいます」ネパール復興に向け立ち上がった学生の思いに迫る〜渋谷吉孝〜

2015年4月25日11時56分。
ネパールの首都カトマンズで起きた大地震は、すぐさま遠く離れた私達の耳にも届いた。マグニチュード7.8、死者8000人。建物は倒壊し、雪崩、土砂災害などにより甚大な被害が発生した。日本も地震大国であることから、無関心ではいられない。そんな中、「kokokara2015」というイベントに参加した際に、ネパール復興のために募金活動をしている学生と出会った。彼らは地震が起きた翌日から街頭で募金をしているとの事だったので、翌日(2015/5/5)実際に活動されている現場にお伺いしインタビューをすることになった。何が彼らを街頭募金活動へ駆り立てたのか。そもそも、何が彼らを突き動かしているのか。今回は、遠く離れた異国・ネパールに対する熱い思いを抱く学生たちの生の声を聞いて頂きたい。

【Google Mapsのネパールの地図】
ネパール地図

kokokara募金(◎)

「Wikipedia ネパール地震2015」
「UNICEF」より

「簡単な自己紹介と、普段されている活動を教えてくだい。」

大阪教育大学4回生の渋谷吉孝(シブヤヨシタカ)です。大学では数学の教員になる勉強をしています。昨年、ネパールに教育を中心とした国際協力を行う「学生団体clan」という団体を立ち上げ、代表をしています。もともと海外で国際教育の支援をしたいと思っていたことから、バックパックを背負ってアジアを周った経験がありました。その時、ネパールという国と出会い、この国で一緒に教育を作っていきたいと思ったことから団体を立ち上げるに至ったんですね。

真顔渋谷(ラスト用)

昨年の夏、NPO法人国際学校建設支援協会 の方と支援候補地を周りながら実際に国際協力ができる場所を探しに現地へ行く中で、シンドゥリーという都市のガネーシャスクールという場所を拠点とすることになりました。校長先生が「死ぬまでに少しでも教育を良くしたい」という言葉が今でも印象に残っています。そういう関わりがある中で、今回の地震があったのは、本当に衝撃的でした。

「支援の方法は色々あるかと思いますが、
なぜ”街頭募金”という形を選んだのでしょうか?」

地震が起こったという事実を知った時、まずは何かしなくてはという思いでいっぱいでした。でも自分には特別な経済力もないし、災害支援の特別な知識もないし、じゃあ何ができるのか?と考えた時に出てきたのが発信することだなと思って。とにかく必死になっている中で浮かんだのが「街頭募金」。よく”家族のような存在”という言葉を聞きますが、僕にとってネパールにいる仲間は”家族そのもの”なので、”力になりたい”というより、”力にならなきゃ”という思いが走っていました。募金を思いついてすぐに友人の重田(シゲタ)に電話し「俺、絶対明日から募金始められるように準備するから!」と伝えたところ数時間後、彼は僕の家にいました。もう深夜の2時でしたが、朝にかけてずっと準備していましたね。

ネパール

これは、ネパールで被災した友達がFacebookで挙げていた写真(上記写真)です。「We will rise high again」と書いてあるのですが、これを見た時、僕らはWeを増やすことでwillの部分、”可能性”を増やせるのではないかと考えました。協力してくれるメンバーが増えれば、絶対大きな力になると確信していましたので。もちろん募金によって得られるものは微々たるものかもしれませんが、「絶対無ではない」と僕は思っています。

「初めて募金をした日のこと教えていただけますか?」

翌日の26日は、僕と重田、もう一人の大谷っていう女の子の3人でしたが、想いが溢れすぎて街頭では半泣き状態で活動していました。僕らの街頭募金の様子を見てもらうと理解ると思いますが、皆ただ箱を持ち立ってるのではなく、叫んで募金活動をしてくれています。言ったら経済力も、知識もない僕らですが、思いだけが勝っていてどうしても感情が出てしまうんです。僕自身も街頭募金の場を通じて、多くの人に知ってもらおう、協力してもらおうって気持ちが、さっき言ったweを増やしてwillを広げるってことに繋がってると思っています。現在、有志で140人の学生メンバーが集まってくれていますが、彼らのお陰で、大阪・神戸・奈良など関西地区で幅広く活動することができていることは、本当にありがたいことです。

スクリーンショット 2015-05-12 11.54.33

初日

「支援金を集める方法はクラウドファンディングも
あるかと思うのですが、その点はどう思われますか?」

クラウドファンディングもいいのかなと思います。ただ、クラウドファンディングの場合、7〜8割企画者のこと知っているのが前提で成り立つものなのかなと思っていて。それよりも、自分たちの生の声を直接届ける街頭募金の方がWeを増やすことにリンクしやすいと考えました。特に知名度も少ない僕らにとっては、パソコンの画面で伝えるには限界がある、とも感じますしね。

募金◎子

募金なう娘

「募金の使い道や届け方に関して教えてください。」

”この物資を買うため”というのではなく、僕らはネパール復興のために使えるお金という考え方で動いています。今、正確な情報が入ってきていない中でこちらが何に使ってほしいと指定はできないので、とにかく今は募金に全力を注いでいます。5/4の時点では空港が物資で溢れ返る状態だったので、募金や物資を届けることを少し待つことにしてみました。とにかく、現地にとって一番いい方法を考えていて、募金活動の傍ら情報収集をしています。届け方は、日本から現地空港までのルートは確保できたので、その後現地のパートナーに必要な物資を買って頂くパターンを取りたいのですが、現状、空港からパートナーに渡るまでのルートが定かではないため、今はその点を調整しています。

ネパール人募金
(▲募金活動をする中で出会った、在日ネパール人の方々。
母国のために何かしたいと思い、この募金活動を知ったのだとか。)

「最後に、現地のネパールの方と、
日本の方にメッセージをお願いします。」

ありきたりかもしれませんが、ネパールの人たちには「一人じゃない」ってことを伝えたいです。軽々しく「頑張ろう」なんて言えませんが、僕らは繋がってるし、一つだから、一緒に戦おうっていう言葉を届けたい。そして、日本の人たちには、これからも一緒に頑張っていきましょう!と伝えたいです。今、僕らに関わって下さった140人のメンバー、募金をしてくれた方々、僕らのことを見かけて声をかけてくれた人、とにかく感謝しかなくて。本当、ありえない額が集まってるのに僕も驚いています。たくさんの支えがあるからこそ、このまま思いを発信していきますし、この場を通してありがとうと伝えたいです。みなさん、一緒に頑張っていきましょう!

ネパール旗

募金◎

▼現在の募金の総額(4/26〜5/8)

100万9407円

▼実際の募金活動の様子です

 

◆編集後記◆

東北地方太平洋地震から2年。復興も進み明るい未来が動き出したように見えた最中、今回の地震はネパールを襲った。どの土地であろうと震災で起きた被害は人々の心をえぐり、希望を見出せなくなる時があるだろう。これまで募金は本当に意味があるのか?と思っていたが、「無ではない」ことは「1人の人間を救う」可能性があることだと感じた取材であった。現地ネパールの方にとって、一刻も早く幸せな時間が訪れることを心から願う。

◆渋谷吉孝さん◆
渋谷スマイル
大阪教育大学 教育学部 数学専攻4回生。学生団体clanの代表。ネパールの学校”Ganesh School”への教育支援を目標に、関西の大学生が中心となり活動している。ネパール大地震後、復興支援として関西各地で街頭募金活動を行い、その募金総額は一週間で100万円を超えた。有志で集まった学生140名と共に、現在、大阪・神戸・奈良などの都市部で活動中。

◆関連リンク◆

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(ご友人の重田さんも情報公開を行っています)

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